「本ページはPTAを批判するものではございません。」
新年度になり、学校ではPTA役員の選出が始まります。
わが子の通う小学校と中学校でも、年度末と新年度にPTAの役員決めが行われました。
皆が負担を感じるPTA役員。
地域や学校の規模にもよりますが、引き受けても断っても何かと大変です。
この記事は、私が前年度にPTA役員を引き受けて感じたことや、実際にわが子のクラスで提案のあった、PTAの考え方など、役員決めの内容についてまとめています。
地域や学校によって大きな相違はありますが、参考に出来るところは、どんどん活用してください。
気になるポイントは、各目次からご確認ください。
学年によるPTA任務の負担
わが家の地域は、PTA役員は一人一回、必ず引き受けるのが暗黙の了解となっています。
児童一人につき一回引き受けるので、兄弟がいる場合は子供の人数分、クラス役員を行うということです。
小学校については6年間のうちに、複数回、引き受けることもあります。
そして、学校の規模も小さく児童の人数も少ない割には、PTAの大会で表彰される程、PTA活動が盛んな学校です。
またクラス役員は、必ず引き受けなければならないため、子供が低学年のうちは、役員をやりたい人がほとんどです。
そのため、
「やりたい人じゃんけん」
など、なりたい人が集まってじゃんけんを行い、じゃんけんに勝った人が、クラス役員になれるという謎のシステムがあります。
子供が低学年の方が、任務が楽との噂が広まってのことです。
私は、前年度の娘が5年生のタイミングでクラス役員と本部役員を引き受けていましたが、正直なところクラス役員については、活動や仕事量など低学年保護者の役員さんと大した変わりはありません。
役員さんは全学年が、同じ頻度で会合が行われるため、低学年でPTA役員を引き受けたとしても、月1回から2回は、学校へ出向くことになります。
では、低学年と高学年の保護者の任務について、何の違いがあるのか。
それは、役員会議や全校の集まり等のPTA総会、入学式や卒業式で、挨拶をするかしないか等の、違いがありました。
また、高学年の5,6年生保護者は、PTA役員の中でもまとめ役となるので、結果的に役員会合の際に、代表して会議を進行する必要があります。
高学年になってからのPTA役員に負担を感じる理由については、全学年を取り仕切りまとめ役となることや、人前での挨拶が負担ということで、皆さん任務の苦楽を感じるようでした。
6年生クラス役員の負担を減らす提案
わが子の通う小学校では、年度末最後の懇談会に、次年度のクラス役員決めが行われます。
次年度のクラス役員は、今まで「やりたい人じゃんけん」で、負け続けていまい、役員になれなかった人達の中から選ぶことになっています。
PTA会長は前年度で既に決まっているため、今回は、PTA副会長、クラス委員長、クラス副委員長、広報部と、クラスで4名、役員が選出されることになっています。
しかし6年生でクラス委員長になると、卒業式の挨拶があるため、皆さんクラス委員長だけにはなりたくないとのことでした。
そのため卒業式の挨拶は、クラス委員長ではなく、皆で呼びかけ形式に変えることや、出来る人(やっても良いと思う人)が挨拶を行う等、進級した際に改めて決めることになりました。
代表の挨拶がなくなれば、皆さんどの役員でも構わないということでしたので、少しは心理的な負担は減らせたようです。
前例にはない事柄でも、風習や慣例にとらわれずに、皆さんの負担が少しでも軽くなるならば、新しい改革も良いと思いました。
皆のPTA役員をやりたくない理由
実際私については3年前、上の息子が小学生の頃からPTA改革を問題提起として、PTA会長をはじめ、校長先生、教頭先生と何度か会合を行ったこともあります。
PTA役員を引き受けられる人と、引き受けられない人など、皆さんの生活環境は家庭によって異なるので、全てを平等にすることも、強制することも出来ないと個人的には思います。
昨今は、
「PTAは任意のボランティア活動」
と認識が広まりつつありますが、現在でも、
「PTA役員をやらないのはズルい」
「公平にするべきだ」
このような声はよく聞きます。
そこで、PTA役員をやりたくない理由について上げてみました。
- 仕事で休みがとれない
- 下の子が小さい
- 作業が多すぎる
- 人をまとめるのが苦手
- 人前で話しをするのが苦手
- 介護や本人の病気
このように、PTA役員をやりたくないにも理由が各々違うため、一言に公平不公平で簡単に割り切れるものではないと思いました。
また出来る範囲で協力し、苦手な分野は得意な人が行うなど、皆で協力し合う行いは大切と思います。
人前で話しをするのが苦手な人に、無理に人前に出てもらうことや、人をまとめるのが苦手な人が、苦手意識を持ちながら取りまとめる事や、時間的融通の取れない人に無理に強要する等はせずに、出来る人が出来る事を行うこと。
今回わが子のクラスで行われた懇談会は、ほんの一例ですが、苦手な事は思い切って慣例や前例を変えて新しい形に変えていくこと、変化させる勇気も必要なのだと思いました。
また、「やりたくない理由について」に上げられた、作業が多すぎることも、作業内容の簡略化や廃止など、見直しも大切なようです。
そうすることにより、
「PTA役員をやらないのはズルい」
「公平にするべきだ」
このような声も少なくなり、まだ手のかかる乳幼児を抱えて、
「何が何でも低学年のうちにやらなければ」
といった、役員参加も少なくなるように感じます。
このような話を小学校1年生の頃から、保護者同士で話し合いが出来たなら、皆がもっと気軽に役員を引き受けられたと、今更ですが感じました。
出来る事と出来ない事も、人それぞれということです。
PTA役員を断る時に気をつけたいこと
前目次にも書いたように、わが子の通う学校については、PTA役員は、一人一回は必須となっています。
しかし、一人一役は必須と言っても、事情のある人については、断る勇気と引き受ける勇気の両方を感じます。
また、私の個人的な気持ちとしては、事情のある人は、断る勇気の方を大切にして欲しいです。
断ることによって、周囲との関係が気まずくなる等を気にされて、無理に引き受けるしかない状況もあると思いますが、出来るか出来ないかを一番分かっているのは自分自身。
引き受けて、出席できずに周囲にあれこれ言われる事も、断って周囲との関係が気まずくなる事も、結果的に同じと感じます。
また、役員が出来ない人については、断る際に気をつけたいことがあります。
それは、
「皆の前で出来ない理由を公表しないこと」
もっと言うならば、
「個人情報は公表しないこと」
周囲から理由を問われたとしても、理由を公表する必要は全くありません。
皆の前で公表することによって、ご自身が傷つくことになりますし、役員免除が決定される等、何も保障はありません。
何よりも、大切な個人情報は安易に周囲に伝えることなく守ってください。
役員決めについては、わが子のクラス懇談会で取り上げられた一例のように、本音で話し合いが出来るのが一番ですが、地域や、学校の規模、学年の特色によっても大きく変わります。
実際に、わが家も息子の学年は娘のクラスとは雰囲気が全く違い、話し合いの余地がありませんでした。
理想のPTAについて
また学校によると思いますが、こちらの地域はPTA活動がポイント制となっていて、活動はポイントによって変わってきます。
PTA役員を引き受けたらポイントをもらえて、ポイントが少ない人やゼロの人が、高学年の本部役員や大役に任命されるなどの制度もあります。
全校の前で挨拶を行ったら4ポイント、クラス役員を1年間引き受けたら4ポイントなど、ポイント制も複雑になっていて、分かりにくいこともあり、それについても、低学年のうちに急いで役員をやらなくてはと思う要因の一つと思います。
同じポイントならば、ポイントが貯まった人には魅力的な特権が与えられるなど、皆が役員をやりたくなるような特権ポイントを考えることも良いのではないかと感じました。
例えば、わが家の加入している町内会では、大きな行事のお手伝いなど不参加者については、以前まで出不足金といった寄付金があり、5000円を支払う制度がありました。
そのため、体力的に厳しくても経済的な理由から参加するご家庭もあるようでした。
しかし今年度からは、出不足金ではなく参加者へ現金が支給されるようになりました。
このように町内会では、参加する人も不参加であっても両者にとって気持ちよく過ごせるようになる、新しい改革が行われています。
同じくPTAについても、このような考え方を取り入れることによって、引き受けやすく断りやすくなるのではないかと思いました。
例えば高学年で役員や本部役員を行うと、テントの屋根付きVIP席で、運動会の見学や動画撮影が出来るなど。
音楽会も、通常なら早朝から並んで座席確保を行うところを、役員については、最前列のVIP席を用意されるなど。
役員特権として得られるものがあるなら、上の町内会と同様にやりたい人も増えるように感じます。
それと同じく、やりたい人が増えることによって、役員を引き受けられない人が肩身の狭い思いをすることもなく、出来ない事の理由説明も不要になるように思いました。
以上のPTA役員特権については、学校側の裁量となるので、それを受け入れてくださるか否かは先生方のご判断となりますが。
PTAは当然に、PTAの「T」部分である、「Teacher(先生)」の協力も必要不可欠ということが分かります。
「Parent(親)」と「Teacher(先生)」の話し合いや協力で、成り立つことなので、上の役員特権ポイントについても実現できるならば、理想のPTA「Parent(親)」と「Teacher(先生)」の「Association(組織)」となることでしょう。
さいごに
PTAについては、前例や慣例、風習など、皆さん各々の事情や考え方、意見もあるので、なかなか付き合い方は難しいところです。
昭和の時代から活動のあるPTA。
昭和の形式を令和の現代に当てはめて活動するのは、難しいところがあるのは当たり前と思います。
また無理に当てはめることによって、役員決めがより複雑化していることも感じています。
そもそも子供達の学校生活を、より良いものにするお手伝いをする事がPTA役員の役割のはずです。
私が経験した、今回の役員決めから学んだ事として、伝統や慣例など良いところは取り入れ、時代の流れとともに、カスタマイズしていく考え方も必要なのではないかと感じました。
コメント